Androidアプリ「複式家計簿」

本日、複式家計簿ver.1.11.1betaをリリースしました。
複式家計簿ベータ版のみのリリースとなります。
正式公開前のテスト用のバージョンとなりますので、テストにご協力いただける方はぜひご利用ください。
複式家計簿betaという別アプリになりますので、google playからインストールをお願いします。

今回は収支計算書機能を追加しました。
収支計算書というのは現預金の増減を示す表となります。
当アプリでは費用と収益を合わせて損益と呼び、現預金の増減である収入、支出合わせて収支と呼んでいます。
損益計算書が損益の増減内訳を示す表であるのに対し、収支計算書は収支の増減内訳を示しています。
企業会計でいうところのキャッシュ・フロー計算書に近い概念ですが、キャッシュ・フロー計算書だと名前が長すぎて入りきらないのでこのような名称にしました。

現預金の増減を収支と呼ぶと書きましたが、この現預金というのは、科目設定で補助簿「現預金」として登録した科目となります。
これ以外だと、名前が現預金的であっても収支計算書の対象とはなりませんのでご注意ください。

収支計算書は現預金の増減を表示するものですが、以下のような特徴があります。

①純額表示ではなく総額表示です。
損益計算書は、同じ科目で借方・貸方両方に計上されていたとしても、それを差し引きした純額で表示するのに対し、収支計算書は貸方計上額を集計して貸方に、借方計上額を集計して借方に総額で表示することにしています。
損益計算書であれば費用は借方、収益は貸方とあらかじめ決まっていますが、集計して収入となるか支出となるかは事前にはわからず処理が複雑となること、また、同じ科目でも1日だけ見たら収入だが1ヶ月で見たら支出になるなど期間によっても変わりうること、さらに科目単位では収入だがある補助科目は支出ということもあり、純額表示だと処理が煩雑になるだけでなく、表示も直感的に違和感が生じやすいものとなるため、総額で表示することとしました。
その結果、例えば友達と食事に行って、合計2000円を自分で払って、友達から1000円をもらった場合の仕訳を
（借）食費2000円（貸）現金2000円
（借）現金1000円（貸）食費1000円
とすると、支出2000円、収入1000円と表示されます。

②現預金科目を含む仕訳の、現預金以外の借方科目が支出、貸方科目が収入となります。
現預金を含む科目というのは、現預金の増減内訳を示すので、当然現預金の科目を含まない仕訳は表示対象外です。
現預金を含む科目が収支の増減額となりますが、収支計算書では単に現預金の増減額を示すだけでなく、科目別にその内訳を示すため、対象となる仕訳に含まれる現預金以外の科目の金額を集計することになります。
例えば、食事に行ったけど持ち合わせが足りず、一部は後で払うことにした場合の仕訳を以下の通り計上したとします。
（借）食費1000円（貸）現金800円、未払金200円
この場合、現金は800円だけ減っているので、支出額は800円となりますが、収支計算書上は支出で食費1000円、収入で未払金200円となります。
800円の内訳を表示しようとすると、食費1000円マイナス未払金200円ということなので、このような表示になります。
未払金は収入ではなく支出では？と感じられる方もいるかもしれませんが、支出でマイナスと表示するのもそれはそれで分かりにくなります。
食費800円として表示すべきでは、とお考えになられる方もいるかもしれませんが、例えば
（借）食費500円、雑費500円（貸）現金800円、未払金200円
のようになると、800円が何の科目での支出かは何とも言えなくなります。
このような表示方法のため、以下のような仕訳は収支が生じないと判断されることになります。
（借）現金1000円（貸）預金1000円
預金を引き出した場合の仕訳ですね。
この仕訳は「現預金科目を含む仕訳」ではあるのですが、「現預金以外の科目」が存在しないため、収支とならないのです。
このあたり、直感と異なる場合もあろうかとは思いますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

なお、②に関連して仕訳明細の収支の概念も変更することとしました。
仕訳明細には従来から収入と支出の金額を表示していましたが、ここでは科目別の内訳は表示せず収入、支出それぞれの合計額だけでしたので、現預金科目の金額そのものを集計していました。
そのため、②の例では800円の支出と表示されていたのですが、これだと収支計算書と合わなくなるので、仕訳明細でも収支計算書と同じ考え方で表示するように変更しました。

今回は以上です。