今回は手数料を入力するケースをご説明します。
手数料については、証券会社を通じて株を売買する場合には必ずかかってくるものですが、個人で投資を行う場合はそれを仕訳としてどのように取り扱うかを、自分自身で決める必要があります。
考え方としては主に以下の2つになります。
①手数料を手数料として計上し、株式投資に関する損益(投資損益)は純粋に株価の増減だけを反映させる。
②手数料を投資損益に含めて計上する。
通常は費目別に計上しますし、申告にあたっても手数料は区別しておく必要があるので、①の方法になると思いますが、投資の評価としては結局いくら儲かったのかということが大事なので、株価の値下がりであっても手数料であってもキャッシュが減るという意味では同じであり、それを区別する必要がはない、という考え方を取るのであれば②の方法でいいということになります。
具体例をあげて見てみます。(話を単純化するために手数料は売却時のみかかることとします。)
①山田商事株式を1000円で購入。(株式数は割愛)
②山田商事株式を1200円で売却。売却手数料を300円支払う。(収入は900円)
これをまず①の考え方で仕訳にすると下記の通りです。
①(借)山田商事 1000円 (貸)らくちん証券 1000円
②(借)らくちん証券 1400円 (貸)山田商事 1200円
(借)山田商事 200円 (貸)投資損益 200円
(借)手数料 300円 (貸)らくちん証券 300円
次に②の考え方では下記の通りです。
①(借)山田商事 1000円 (貸)らくちん証券 1000円
②(借)らくちん証券 900円 (貸)山田商事 900円
(借)投資損益 100円 (貸)山田商事 100円
①では投資損益としては200円の儲けでしたが、手数料として300円払っているので、PLは下記のようになります。
(収益)投資損益 200円
(費用)手数料 300円
利益 △100円
一方、②は
(費用)投資損益 100円
利益 △100円
当然、最終の利益の金額は同じになりますが、全体の見え方は変わってきます。
ここでは投資損益と手数料しかないのでどちらにしてもあまり変わりませんが、たくさんの科目がある中で投資損益としてどのような金額を確認したいかによって仕訳の作り方が変わってくるということだけご理解いただき、仕訳の方法を決めてください。
で、本題に入りますが、今回は①の手数料を計上する方法を確認したいと思います。
取引は上記の取引を用いることとし、これをアプリに入力すると以下の通りです。
購入は前回までと同様なので割愛させていただき、売却時は以下の通り入力します。

最初の画面の金額の右上に数量、単価、金額が表示されており、1000円で購入したということがわかります。
これを1200円で売却するよう入力し、登録ボタンを押すとダイアログが表示されます。
今回は数量の下の手数料に300円を入力してOKを押すと、上で見た通りの仕訳が計上されました。
なお、念のためPL(損益計算書)を見てみると下記の通りです。

収益と費用にそれぞれ投資損益、手数料が表示され、差額として100円の損失が計上されています。
これを②の方法で仕訳を計上した場合のPLはこのようになります。

投資損益が収益科目として登録されているので収益側にマイナス表示されていますが、このように手数料相当も投資損益に含まれた金額となっています。
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