※表示されているデータはテストデータです。複式簿記の仕組みを利用した家計簿アプリです。
簿記を使うことで損益だけでなく、残高の管理もしっかり行うことできますが、入力は通常の家計簿ソフトと同じ感覚で入力でき、簿記の知識がなくても扱えるようになっています。
但し、アプリを十分に活用するためには、ごく基本的な簿記の知識があった方がいいので、少し使ってみてもう少し使ってみてもいいかなと感じられたら、一度ブログの解説をお読みいただけると幸いです。
<このアプリの特徴>
①損益での管理
このアプリは現金の増減ではなく、「損益」で家計を管理します。
損益とは金額で算定できる「価値」の増減のことです。
多くの場合は現金の増減と価値の増減は一致するので、日常の管理は通常の家計簿と同様に現金の増減をベースに管理することになりますが、例えば以下のようなケースでは両者が食い違ってきて、通常の家計簿では管理し辛かったと思います。
・まとめ買い
食品など安売り時にまとめ買いした結果、かえってその月の収支が悪化してしまうということがあります。しかし、買っても消費しなければ価値は失われていないため(現金から食品に価値が移動しただけ)、その月に消費しなかった分は資産として翌月に繰り越し、消費した時に費用とすることが損益を管理することになります。食品の他、雑貨類や回数券、定期券なども同様です。
・貸し借り
家族や友人にお金を貸すと、現金そのものはなくなりますが、いずれ返してもらえるのであれば価値は失われていません。(現金から請求権に価値が移動しただけ)もちろん、貸した金は返ってこないものと考えるという主義なら貸した時点で失われたとすることでもいいですが、そうでなければ費用としないことが損益の管理です。
・クレジットカード
クレジットはカード会社からの借金なので貸し借りと同じことですが、カードで買い物をした場合、現金はなくなっていませんが、家計に与える影響としては現金で買ったのと同じように把握し、管理すべきです。損益の管理では初めからこれが区別されません。
・繰越や振替(電子マネーのチャージ含む)
残高の繰越、口座間の振替などは単なる管理上の移動なので、当然家計に影響させるべきではありません。損益の管理では初めから問題になりません。もっともこれらは通常の家計簿でも多くは対応しているかと思います。
・固定資産
長期間使用する家具や家電などは、買った月に多額に支出し、その後は使用し続けても支出することはありません。(ローンで購入した場合を除く)これを買った月の支出として管理することでも問題はありません。しかし、買った月だけ赤字、それ以外は黒字というのがしっくりこないケースがもしあるようであれば、購入価格を使用する各月に按分することも損益の管理では可能です。
上記のような損益の管理がこのアプリでは可能となります。
もちろん通常の家計簿と同様に現金ベースの管理も問題なくできるので、通常は現金ベースで管理をし、それではしっくりこないというところだけ、損益での管理としてみるということでいいと思います。(アプリの機能として、現金の管理と損益の管理という2つの管理方法があるわけではなく、科目の選択が変わってくるということになります。)
②残高の管理
残高管理では、通常の家計簿ソフトの多くが現金のみでなく預金やカードの残高管理に対応しており、またそれらを複数持つことも可能となっています。
このアプリでも同様ですが、管理できる口座の種類や数に制限はありません。
また、残高を直接入力して、差額を把握し、処理する機能もあるので、日々の残金のみで家計を管理するといった方法も可能です。
さらに、特徴的な点としては、現金関連以外の残高も管理することができます。
損益の管理をどのように行うかの結果によりますが、貸し借りを管理する場合、請求権や借金の残高を管理することになります。頻繁にお金の貸し借りをするような相手がいる場合には、その都度精算するのではなく、その都度はやり取りを記録して残高を把握し、定期的に精算するという方法をとることも可能です。
まとめ買いや固定資産を管理する場合は、それぞれの資産を管理することになります。まとめ買いしたものは数量を管理することもできますので、使った数量や残数量から損益の金額を把握することもできます。
③あらゆるものを管理
あらゆるものと言っても結局は損益か残高の管理ですが、管理の仕方を工夫したり、見方をちょっと変えて見ることで、これまであまり家計の管理としては語られることのなかった面が見えてきます。
例としては以下のようなものが考えられます。
・自分はどれだけの財産を持っているのか
家にモノがたくさんある人は、ある意味資産家です。
ゴミに価値はありませんが、大事に持っている以上ゴミではないはずであり、価値があるはずなので(家計簿は本人のためにつけるので本人にとっての価値がすべて)、それらを適切に管理してみてもいいかもしれません。
・子供や恋人に対する投資額
愛情に値段をつけたくない人はいくらでも好きなだけ使っていただいて構いませんが、その総額をこっそり管理してみるのも面白いかもしれません。しっかり管理しておけば、いつ破局の時を迎えても安心です。
・見えないものの価値
いい思い出はそれ自体価値のあるものです。
夏休みに家族で旅行して10万円かかったとすると、その結果得られたいい思い出は10万円の価値があると考えることもできます。
その思い出は価値があるので資産として計上するということも可能です。
この場合は資産の一覧表である貸借対照表は思い出一覧表となるかもしれません。
・自分がこれまでの人生で生み出した価値
簿記には過去の損益の累計を記録である剰余金という概念があります。
家計簿での剰余金とは、これまでの期間であなた自身が生み出した価値の総額にほかなりません。
人生で自分自身がどれほどの価値を生み出したかなんて興味ありませんか?
④簿記の勉強
複式簿記は、簿記検定などで行われている簿記ですので、簿記を勉強されている方にも大変有益なアプリです。
通常の簿記の勉強は、仕訳のパターンを覚えることが中心です。
このアプリは家計簿ですので、簿記検定に出てくるような仕訳は出てきませんし、そもそもどのような仕訳をおこすかは自分自身で考えていただくので、その意味では参考書のようなものではありません。
しかし、簿記というのはある事象からどのような仕訳をおこすかを考えるセンスが重要であり、日々の事象から仕訳を考えること、特に③のような視点でいろいろなものを仕訳に置きかえてみることで、簿記のセンスを確実に高めることが可能となります。
簿記2級程度であれば仕訳パターンの丸暗記でも十分いけますが、実務をやる上では簿記のセンスを磨いておくことは重要なので、普段からこのアプリで仕訳を訓練しておくのはいい勉強になると思います。
<主な機能>
・貸借対照表、損益計算書の表示
・前日や前月など任意の期間での比較
・予算管理、予実比較(未実装)
・固定費の自動計上
・現金などの残高金額の入力による管理
・棚卸資産(複数量を購入する資産)の数量による管理
・クレジットカードの決済情報の管理
・有価証券(株式など)の時価の入力や売却による損益の管理、手数料の入力
・固定資産(長期間使用する資産)の減価償却(費用按分)
その他、カレンダーや電卓、グラフ(未実装)など通常の家計簿アプリが備えている機能はほぼ対応しています。
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