科目の設定方法をご説明します。(当アプリでは勘定科目のことを統一的に「科目」と表記していますので、ここでも「科目」と表記します。)
なお、簿記の理解が十分でない方は先に
3回目「勘定科目」、
4回目「収益と費用、資産と負債と資本」、
6回目「仕訳と勘定科目」の記事に目を通しておいてください。
「科目設定」画面は各画面のメニューから「科目設定」を選択すると表示されます。(この他に増減表を長押しすることでも表示されます。)
「科目設定」を選択するとまずは設定する科目を選択する「科目選択」画面が表示されます。

科目の設定を変更または削除する場合は該当の科目を、科目を新たに追加する場合は追加ボタンをタップしてください。
なお、この画面の右側のアイコンをドラッグ(押したまま上下に移動させる)すると科目を任意の場所に移動させることができます。
この画面での科目の並び順が貸借対照表や損益計算書の表示順になる他、仕訳入力画面等で科目を選択する際に、並び順を「手動設定順」とした場合はここで設定した順序で表示されるので、必要な場合は変更してください。
科目の設定は以下の画面で行います。

科目名は内容を表す名称を入力してください。
種類は科目の種類を選択してください。(種類は登録後の変更はできませんので、変更する場合は一旦科目を削除して再登録してください。)
補助簿は補助科目を設定しない場合は「なし」のまま、設定する場合はドロップダウンリストから選択してください。補助簿については以下で詳述します。
補助科目を設定する場合は「…追加する」をタップすると、選択した補助簿に応じた入力画面が表示されるので、必要項目を入力してください。
入力が完了したら登録ボタンを押すとデータが登録されます。
登録済みの科目は下記のように表示されます。

補助科目の一覧には、補助科目の名称の他、入力したメモと金額が表示されます。
金額は、資産・負債・資本については当月末の残高が、収益・費用については当月1ヶ月の合計金額が表示されます。
また、一覧の上にはすべての補助科目の金額の合計金額(科目単位の金額)が表示されます。
さらに、一覧の補助科目を長押しするとその補助科目の科目明細が、科目明細ボタンをタップするとその科目の科明細が表示されます。
※科目明細は科目または補助科目についてのデータの一覧表です。(一般的には総勘定元帳と言います。)
<補助簿について>科目ごとの仕訳の入力補助機能や表示内容を制御する項目であり、当アプリの特徴的な機能のひとつとなります。
補助簿は以下の種類があります。
①一般
②現預金
③棚卸資産
④有価証券
⑤固定資産
⑥クレジット①一般

補助科目を登録する以外の特段の機能はありません。
補助科目名とメモ(任意入力)を入力してください。
②現預金

「残高入力」画面の科目として選択可能となります。
また、各入力画面の支払方法や入金口座、振替口座としても選択可能となります。
残高入力は今の残高を入力すると帳簿残高との差額の仕訳を計上し、帳簿残高と実際の残高を一致させる機能であり、財布の中の金額と家計簿の残高がずれた場合などに差額を調整する方法です。
差額は通常雑費や使途不明金といった科目で計上しますが、その科目をあらかじめこの画面で調整科目として登録しておくことが必要です。
③棚卸資産

棚卸資産とは数量を管理する資産に用いる科目であり、まとめ買いなどにより複数の資産を一度に購入し、一部を翌月以降に繰り越すような場合に使用します。
購入時は資産に計上し、使用に応じて費用科目に振り替えることになるため、費用科目をあらかじめこの画面で登録しておくことが必要です。
単価が常に一定であるような棚卸資産の場合は単価をあらかじめ設定しておくと、仕訳入力時には数量のみを入力すればよくなります。
科目明細画面で金額に加えて数量の増減も確認することができます。
④有価証券

株や外国為替など時価を管理する資産に用いる科目です。
棚卸資産と同様数量も管理しますが、棚卸資産と異なり管理上時価の変動を把握することが必要な場合に使用します。(棚卸資産にも時価の概念があるものがありますが(例えば野菜など)、棚卸資産は一度購入したら後は消費するだけなので時価が変わっても直接的な影響はありませんが、有価証券は時価の変動により売却額が変わってくるという点が大きく異なります。)
そのため、数量を管理する他に時価(単価)を入力することで、帳簿金額との差額を損益として処理する機能があります。
また、売却時には売却額と帳簿金額との差額を売却損益として処理する機能もあります。
これらの損益を自動で計上するため、あらかじめ損益科目を設定しておくことが必要です。(損と益や評価損益と売却損益を区別して登録することはできません。)
さらに、有価証券の売買を行う証券口座と証券会社に支払う手数料の科目も設定しておくことが必要です。
有価証券についても数量の増減を科目明細で確認できます。
⑤固定資産

固定資産とは家具や家電など長期間使用する資産であり、支出の恩恵が長期間にわたって得られることから、管理上も一時の費用とするのではなく恩恵が得られる期間にわたって費用を配分するような管理を行う場合に使用します。(固定資産の費用を各期に配分することを、一般的に
「減価償却」と言います。)
固定資産購入の仕訳を登録すると、あらかじめ設定した期間にわたって減価償却費を計上する仕訳が自動で登録されます。
そのため、減価償却費を計上する期間(その資産の恩恵を得られると見込まれる期間)と、減価償却費を実際に計上する科目(※)をあらかじめ設定しておくことが必要です。
固定資産の購入と対応する減価償却費の計上の仕訳を償却明細で一覧で確認することができます。
(※)減価償却費と費用名を記載しておきながら費用を設定しておくことが必要ということに疑問を持たれた方もいるかもしれませんが、減価償却費というのはこのような費用配分の結果として計上する費用のことを一般的に述べたものであり、実際にこの科目名を用いて計上することが必要なわけではありません。(一般的には科目名としても減価償却費を用いますが、そこは管理方針次第です。)
例えば、家具の減価償却費を住居費として計上することでも問題はありません。
なお、当アプリでは前払費用や繰延資産のような一般的には減価償却資産と扱わないような資産も固定資産に含めて取り扱っています。
⑥クレジット

クレジットカードで使用します。
カードで支払った場合は翌月以降の決済が発生することから、カード払いの仕訳を計上すると、あらかじめ設定した支払条件に基づいて決済の仕訳が自動で登録されます。
そのため、支払条件(締め日、サイト(当月、翌月など)、支払日)をあらかじめ登録しておくことが必要です。
カードの使用と対応する決済の仕訳を決裁明細で一覧で確認することができます。
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