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収益と費用、資産と負債と資本

勘定科目は原因用と結果用にあらかじめ区分されているとお伝えしました。
実はこの区分は原因と結果の2つではなく、それぞれさらに複数の区分に分かれており、全体では下記の5つに分かれています。

<原因用>
① 収益
② 費用


<結果用>
① 資産
② 負債
③ 資本(純資産)


それぞれの区分の意味は下記の通りです。(説明の都合上、結果用から先にご説明します。)

資産
現金や預金など、いわゆる「資産」です。
お金や土地・建物、株券など通常資産と呼ばれるものはもちろん含まれますが、簿記の世界ではもっと幅広く本人にとってプラス価値のあるモノはすべて資産となります。
家計で言えば、購入してまだ食べていない食品も資産になりますし、テレビなどの家電やベッドなどの家具も資産です。
さらに、モノに限らず、家族にお金を貸して来月返すという約束があれば、手元のお金は無くても、お金を返してもらう権利を持っているので、これも資産になります。
個人的につける家計簿では自分が納得すればいいので、自分で価値があると思えば何でも資産にして構いません。

負債
資産とは逆に、本人にとってマイナスの価値のあるモノです。
負債は資産とは異なり、モノとして実体のあるものはあまりなく、一番わかり易いのは借金です。
住宅ローンやカードでの借入など、将来お金を払わなくていけないものは、自身にとってマイナスの価値となります。
カードで5000円の食事をしたら、
(原因)食費5000円
(結果)カード残高+5000円

という取引として把握しますが、このカード残高が負債となります。
負債は資産のようにモノとして実体のあるものは少ないのですが、あえて実体のあるものを挙げると、例えば粗大ゴミなどでしょうか。
粗大ゴミはもう役割を終えたのでプラスの価値を生み出さないばかりか、回収にお金がかかるので経済的な意味でもマイナスの価値となります。
生ゴミなど悪臭がするというのもマイナスの価値ですので、これも負債として扱うこともできますが、金額を設定できないので簿記では扱い辛いものになります。(適当に金額を決めて取扱うことにするのも不可能ではありませんが。)

資本(純資産)
純資産という呼び方からもわかるとおりネット(純額)の資産であり、資産と負債の差額になります。
今、1万円の現金と3000円の借金があったら、手元には1万円あっても、自分の財産としては7000円と考えるのが妥当でしょう。
このような、自分自身に帰属するネットの資産が資本(純資産)になります。
よって、資産、負債、資本は、資産=負債+資本という関係が成り立ちます。(負債が多い場合は資産+資本=負債となりますが。)
結果を集めた表を英語でBalance Sheet(バランスシート)と呼ぶとご説明しましたが、このバランスというのは上の式で左右がの金額が=となる(バランスする)というところから来ています。

収益
収益は、価値増加の原因となるものです。
例えば、「お小遣いをもらってお金が増えた」ということから分かるように、お小遣いは価値増加の要因となるので収益となります。
給料やバイト代も同様です。
プレゼントで時計をもらった場合も、「プレゼントをもらって時計が増えた」ということで、プレゼントは収益になります。(この場合は時計が資産です。)
プレゼントの場合はもらうこともあればあげることもあるので、単に「プレゼント」だけだと価値が増えたのか減ったのかわからないので、このようなものは例えば「受取プレゼント」などと名付けるとわかりやすいかと思います。

費用
収益とは逆に、価値減少の原因となるものです。
外食をしたら、「外食をしてお金が減った」ということで、価値が減ったので外食は費用です。
一般的には食費として記録します。
ここで、外食したのでお金は減ったけど、その分満足が高まった、お金の価値と同等の満足を得られるからその店で食事をしたのであって、価値は減ってないのでは?と思われる方もいるかもしれませんが、その場合は、「お金」という資産は減った一方で、「満足」という資産が増えたと考えることも可能です。
自分で価値があると思えばなんでも資産にしていいと申し上げたとおり、「満足」が本人にとって価値があるのであれば、資産に計上してください。
ただ、食事をした満足は数時間すると消えてしまうかもしれません。
この場合の満足が「満腹」ということであれば、「エネルギーを消費して満腹が減った」(日本語はおかしいですが)ということで、エネルギーの消費が費用ということになります。
「思い出」としての満足であれば、時間の経過が費用かもしれません。
でも、時間が経過しただけで費用が増えるというのも、簿記の理屈では間違いではありませんが、直感的に分かり辛いですし、管理もし辛いですよね。
なので、通常は満足を得るためにお金を払ったもの(消費)は費用として扱うことになります。


各区分の意味は上記の通りですが、実際に何を資産や費用として設定するかは、管理の目的に応じて各自でそれぞれ自由に設定することになります。
例えば、食品を買ってきたら資産に計上し、食べて無くなるごとに費用にする、ということもできますが、それだと2段階で入力が必要となるので手間が増えることになります。
食品はそれほど高価なものでもありませんし、買ってから食べるまでの期間も短いので、このようなものは買った時点で食費として費用に計上し、資産とはみなさないということも可能です。
ここらへんをうまく設定することで、管理を簡単にしたり、あるいは詳細にしたりといった調整が可能となります。

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企業会計より家計簿が好きな公認会計士です。複式家計簿というAndroidアプリを作ってます。

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